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大正時代からのデータベース
私が大学を卒業して、父の診療室を手伝うようになったとき、患者さんのカルテを探すのに一苦労しました。
なぜなら、カルテの並び順が「いろはにほへと。。。」だったのです。
今や表計算ソフトやデータベースソフトを使って並び順を変えるとしても「ABC。。。」や「あいうえお。。。」があっても「いろはにほへと。。。」はありません。
新しく入ったスタッフはまず、これを覚えるとか。
平成の一大決心
平成に入って未だ、「いろはにほへと。。」はないだろう、と。
私の最初の仕事は、この並び順を「あいうえお。。。」順に変えることでした。
何日もかかって、まずは表計算ソフトに全ての患者さんの名前を入力、ソートをかけて「あいうえお。。。」順へ。これはほんの数秒。
その名前順に番号をつけてタックルシールに印刷。新しいクリアファイルにカルテとレントゲンフィルムを挟んで準備完了。
あとは一斉に手作業によるソート。棚の中身をひっくり返して順序良く並べてゆく作業。数週間をかけこの作業を完成させましたが、当院にとっては歴史上、大きな出来事であったと思います。今では本当にあの時、やっておいてよかったとつくづく思います。
昨日、当院となりの三方舎(代表・今井正人)で行われている田崎宏白磁展へ行ってきました。
作家の田崎さんと話すうちに焼き物の器には、粘土を練って作る陶器と、陶石を粉にして水に溶いて作る磁器があることを知りました。
私たちが患者さんに提供するポーセレンの歯、いわゆるセトモノの歯は、陶材の粉を水を付けた筆ですくい金属やジルコニアのフレームに盛り上げていく手法で作られます。なんと、磁器を英語に訳すとポーセレンだったのです。私たちが日ごろ使っているポーセレンは磁器であったことにハッ!としました。
この手法で、千数百度で焼成しガラス化することで光を通す焼き物へとなるのです。セトモノがガラスのように光を通すって歯の先端のエナメル質の自然感を作り出すことに似ています。
田崎さんの白磁器は光を通します。それを上手く使ったランプの笠やコーヒーカップも透明感がところどころに出ています。
手づくりっていいですね。